鈑金モノは眺めて撫でて検品 | 自動車部品奮闘記 | 輸入車パーツ・輸入車部品 ／ 業販ならテーエス商会へ　外車パーツ・外車部品の専門店

ドアパネルやフェンダーでイタミが出やすいのは、下の角部分です。

検品をしていると、やはり曲がりのあるフェンダーがありました。

ドアパネルは角部分をプラスチック製のクッション材でくるんではいるのですが、

そのクッションを外すと、なぜか内側へ「く」の字に曲がっているモノがあるのです。

このフェンダーは、ビニールでくるまれていただけでしたので、注意深く入念にみる必要がありました。

梱包時や運送途中の事故というより、製造時の最終段階で乱暴にあつかったのではいかと、

先輩スタッフは推察します。

こうした曲がりや傷は、テーエス商会のグループ会社で修理し、

問題のない状態にしてから　お客さんに届けられることになります。

ボディパーツのなかでも、ポリプロピレン製のバンパーは特に厄介です。

全体がエアキャップで包まれているため、一見なんの問題もないかに見えますが、製造時にできたへこみや傷、そして歪み曲がりがあるのです。

一枚一枚エアキャップをはぎ取り、バンパーを軽くなでながら、目には見えづらい歪みや曲がりを調べます。

へこみや傷、塗装の剥がれなどは修理できますが、歪みはどうにもならないため、全損扱いとなってしまいます。

日本とフランスのモノづくり文化の違い？

フランスから35日間もかけて海を渡り、遠くジパングまで来て、全損扱いになってリサイクルゴミに回されてしまうバンパーのなんと哀れなこと。

フランスの自動車部品メーカーの品質管理担当者からは「メルドォ‼ その程度の傷で!?」といわれそうですが、

日本の自動車業界では、ボディパーツかもちろん、部品ひとつひとつにも高い完成度を求め、外からは見えない裏側にさえ気を配るのです。

日本のうるし塗り文化と、フランスのホーロー仕立て文化の違いともいうべきなのでしょうか。

工業製品にも、古いものを愛でるフランス独自のやさしさが必要なのでは、と感じました。